論理的思考‎ > ‎

問題とは

まずは「問題とは何か」を考えてみましょう。

私の言葉の定義では「問題とは、理想と現実の差分」となります。差分がある状態は問題がある状態であり、差分がなければ問題はない、差分が大きければ問題は大きく、差分が小さければ問題が小さいということになります。

問題があるかどうかを判断するためには以下の作業が必要です。
  1. 理想の設定
  2. 現実の分析と把握
  3. 理想と現実の比較

まずはこれに従わずに考えてみましょう。問題は「売上げが低いこと」。これは本当に問題なのでしょうか?
なんとなく正しい気はします。ただ、これだけだと何を持って「低い」と表現しているかわりません。具体性が無くかつあいまいであるので、本当に低いのかどうかすらわかりません。このような表現は論理的ではない物事の捉え方であるといえます(※1)。


具体例を考えてみましょう。あるネットショップで月間売上げ1000万円を目標に掲げたとします。

これに対し、実際の売上げが0円だと大問題ということになります。売上げが800万や700万だと問題がある状態999万円だと問題は小さい状態であるといえます。1000万円に達していれば問題がない状態であるといえます。

では、5000万円に達したときはどうでしょうか。これは目標の設定の仕方によりますが、理想が「売上げ1000万円以上」であるならばではないことになります。一方で、売上目標「1000万円~3000万円」だった場合には「売りすぎ」と判断され問題になります(※2)。「1000万円以上」なのか「1000万円~3000万円の間」なのか等、目標もしくは理想の値を事前にきちんと論理的に具体的に判断し設定しておく事が大切です。

理想の設定はとても重要です。あいまいでいい加減な内容を設定してしまうと、比較の段階で正しく判断できなくなってしまい、本来は問題でない状況まで「問題である」と判断されてしまう可能性が出てきます。よって理想の設定は、丁寧に言葉を選んで根拠のある内容を設定する必要があります。


(※1)そもそも「低い」「高い」「多い」「少ない」という言葉だけだと、表現している本人独自の主観的な判断になるので、このような言葉を多用する人は論理性にか欠けると判断されがちです。
(※2)売上げが大きすぎると税務調査に入られやすくなるとか同業他社との関係が悪化しやりにくくなってしまう場合など、別の問題が発生してくるケースも考えられ、このような場合には上限を設定することになるでしょう。そのような事情がある場合には、売上額が目標を超えてしまえば問題となります。